インフルエンサーにPRを依頼する方法と手順|依頼時の例文も紹介

インフルエンサーにPRを依頼する方法は、企業の経験値に合わせて選ぶのが鉄則です。

今回は、インフルエンサーにPRを依頼する4つの方法が比較できるよう、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。依頼文のテンプレートとして、良い例・悪い例の両方をご紹介していますので、併せて参考にしてください。

 インフルエンサーにPRを依頼する手順

企業がインフルエンサーにPRを依頼する手順は、どの方法を選択するかで多少の違いがあります。

たとえば、一口にインフルエンサーマーケティング会社と言っても、それぞれ独自に効率化を図っているため、異なる手順が採用されているのです。

そこでこの章では、一般的な手順として以下のプロセスをご紹介します。

  1. インフルエンサーマーケティングの「目的」を明確にする
  2. KPI(重要業績評価指標)を設定する
  3. 競合をリサーチする
  4. プロモーションの方向性を決める(企画立案)
  5. インフルエンサーに求める条件を決める
  6. インフルエンサーの候補をピックアップする
  7. 最終候補にPR依頼をオファーする
  8. ギャラや投稿頻度、コンテンツの方向性などの条件を交渉する
  9. 合意できたら契約書を交わし、正式に依頼する
  10. コンテンツの作成(担当:インフルエンサー)
  11. コンテンツの最終チェック(担当:依頼主である企業)
  12. 投稿
  13. 効果検証
  14. 改善策を実行

ちなみに、インフルエンサーマーケティングの具体的なノウハウについては、以下の記事で詳しく解説しております。

インフルエンサーにPRを依頼する際は、ぜひ参考にしてください。

インフルエンサーにPRを依頼する方法

インフルエンサーにPRを依頼する方法は、主に以下の4種類に分けられます。

  • 依頼方法1:直接インフルエンサーにDMを送る
  • 依頼方法2:マッチングプラットフォームを利用する
  • 依頼方法3:インフルエンサーの所属事務所に連絡する
  • 依頼方法4:インフルエンサーマーケティング会社に代行してもらう

ここからは上記4種類の方法について、どのような企業に向いているのか、それぞれのメリット・デメリットと併せて個別に解説していきます。

ちなみに、インフルエンサーの選定方法については、以下の記事を参照していください。

依頼方法1:直接インフルエンサーにDMを送る

インフルエンサーマーケティングの経験値が高く、実際に十分な成果をあげている企業は、直接インフルエンサーにDMを送ってPRを依頼する方法がおすすめです。

各SNS内には、送信者と受信者のみが非公開メッセージをやり取りできる、DM(ダイレクトメッセージ)機能があります。

DMはビジネスの重要通知に多用されているため、安全にPRをオファーするには最適と言えるでしょう。

なお、オファーする際の具体的な文章は、後述する「直接インフルエンサーに依頼する際の例文」でご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

メリット4つ

インフルエンサーに直接コンタクトを取ってPRを依頼する方法には、以下のようなメリットがあります。

  • 中間マージンが発生しない分、ほかの方法よりもコストが安い
  • 直接やり取りできるので、交渉がスムーズ
  • ディレクション方針の落とし込みが円滑に進む
  • エンゲージメント率が高いマイクロインフルエンサーを見つけやすい

マイクロインフルエンサーは費用対効果が高いものの、あくまで副業として活動している人も珍しくありません。

そのため、プロダクション事務所に所属せず、フリーランスとして活動している人が多いのです。

つまり、対象がマイクロインフルエンサーの場合に限り、候補者リストから漏れがちな仲介業者を介するよりも、直接コンタクトを取る方法の方が適しています。

マイクロインフルエンサーとのタイアップを希望する場合は直接PRを依頼する、もしくはマイクロインフルエンサーに特化したマーケティング会社を選択すべきでしょう。

デメリット6つ

一方、直接インフルエンサーにPRを依頼する場合の主なデメリットは、以下の通りです。

  • マッチング精度など、インフルエンサー選定の難易度が最も高い
  • 過去の実績をリサーチするのが難しい
  • 過去に炎上などのトラブルを起こしてしないか、自社で調査しなければならない
  • プロ意識など、モラルを備えているか把握しづらい
  • 総合的にかかる費用が想定し難い
  • 企業側に、インフルエンサーマーケティングの人的リソースやノウハウが必要

自社商品と最も親和性の高いインフルエンサーにPRを依頼するには、過去のタイアップ経験値からビジネスパートナーとしての資質まで、さまざまな視点から判断しなければなりません。

一般の企業が候補者全員の過去データを収集して比較検討するのは、非常に難易度の高い作業です。

依頼方法2:マッチングプラットフォームを利用する

スピーディーに候補者リストを入手したい企業に向いているのが、マッチングプラットフォームを活用する方法です。

マッチングプラットフォームには、さまざまなジャンルで活躍しているインフルエンサーが登録しており、条件を入力するだけで簡単に候補者を絞り込むことができます。

ただし、メインの役目はあくまでインフルエンサー候補のリストアップです。

最終的なインフルエンサーの選定・企画立案・施策スケジュール管理・効果分析などを行うには、企業側に人的リソースとノウハウが欠かせません。

メリット5つ

マッチングプラットフォームを使ってインフルエンサーにPRを依頼する方法には、以下のようなメリットがあります。

  • 条件を入力するだけで、適合性の高い候補者を短時間で探せる
  • エンゲージメント率など、ある程度の実績が確認できる
  • 最終的な人選を含む施策全般を、自社で主導できる
  • インフルエンサーはPR案件の受注窓口として登録しているため、断られにくい
  • ツール内の機能を使ってインフルエンサーとやり取りができるため、進捗状況の確認など業務負担が減らせる

ただし、本来エンゲージメント率などの過去データを正確に把握しているのは、その施策の依頼主や担当したマーケティング会社などに限定されています。

マッチングプラットフォームから提供されるエンゲージメント率は、あくまで概算程度と思っておいた方が良いでしょう。

デメリット5つ

一方、マッチングプラットフォームを使ってインフルエンサーにPRを依頼する方法には、以下のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

  • 企業側に、インフルエンサーマーケティングの経験値が必要
  • ディレクションなど、企業側の業務負担が大きい
  • 定額の月額使用料が発生する
  • インフルエンサーによっては、別途ディレクション費用が発生することもある
  • ツールによって、提供されているサービスの範囲が異なる

上記のデメリットを踏まえると、初めてインフルエンサーマーケティングに挑戦する、あるいは経験値の低い企業には不向きと言えます。

マッチングプラットフォームを活用する際は、どこまでのサービスが提供されているのか、事前に確認しておきましょう。

依頼方法3:インフルエンサーの所属事務所に連絡する

すでにPRを依頼したい相手が決まっている企業に向いているのが、インフルエンサーの所属事務所に連絡する方法です。

タイアップ経験が突出して豊富なインフルエンサーの多くは、専門の事務所に所属しています。

とくに、100万人以上のフォロワーを獲得しているメガインフルエンサーを起用して、大々的なPR施策を展開する場合は、所属事務所を介して依頼する方法がおすすめです。

インフルエンサーの所属事務所については、以下の記事で詳しく解説しております。

メリット4つ

所属事務所を通してインフルエンサーにPRを依頼する方法には、以下のようなメリットがあります。

  • InstagramやTikTokなど、各SNSで人気のインフルエンサーを起用できる
  • メガインフルエンサーをアサインする、大規模PRに適している
  • 知名度の高い人材が豊富なので、キャンペーンなど単発の企画でも高い効果が期待できる
  • 費用やスケジュールに合わせて、インフルエンサーを紹介してもらえる

お目当てのインフルエンサーに受注してもらえなかったとしても、似たような条件の人材をマッチングしてくれます。

デメリット4つ

一方、所属事務所を通してインフルエンサーにPRを依頼する場合の主なデメリットは、以下の通りです。

  • 費用に中間マージンが上乗せされる
  • 知名度が高いインフルエンサーほど、費用が高額になる
  • 希望するスケジュールで起用できないこともある
  • クリエイティブの方向性に関して、所属事務所の意向を反映するよう求められることが多い

マネージメント事務所は、所属しているインフルエンサーを売り出すために、個性を活かしたキャラクター作りや広報活動を行っています。

そのため、キャラクター性が損なわれないよう、コンテンツの世界観などに一定の注文をつけられるケースが多いのです。

所属事務所を通してインフルエンサーにPRを依頼する方法は、すべてを主導したい企業にとって不向きと言えます

依頼方法4:インフルエンサーマーケティング会社に代行してもらう

インフルエンサーマーケティング会社にPR依頼を代行してもらう方法は、以下のような企業にとって最適な方法です。

  • はじめてインフルエンサーマーケティングに挑戦する企業
  • 現状の成果が、期待値を下回っている企業
  • インフルエンサーマーケティングのすべてを、まとめて一任したい企業
  • ノウハウを学んで、将来的に自社で内製化したい企業

とくに、どのインフルエンサーを起用すべきか分からないという場合は、インフルエンサーマーケティング会社を通してPRを依頼する方法が、最もおすすめです。

ちなみに、インフルエンサーマーケティング会社を介してPRを依頼する際は、以下の記事を参考にしてください。

メリット8つ

インフルエンサーマーケティング会社にPRの依頼を代行してもらう方法には、以下のようなメリットがあります。

  • 成功率の高いインフルエンサーに依頼できる
  • 自社に人的リソースがなくても可能
  • プロならではのノウハウを提供
  • すべての工程を一括で依頼できる
  • 社内の業務負担が最小限で済む
  • 内製化に対応している代理店もある
  • 二次利用など専門的な契約書にも対応
  • 炎上リスクが低い

最大の強みは、たとえ自社に知識や経験がなくても、最適なインフルエンサーにPRを依頼できるという点です。

過去データ・競合調査・現状のトレンドなど、データ分析を多面的に行っているインフルエンサーマーケティング会社には、効果を最大化する強みがあります。

詳しくは、以下の記事を参照してください。

デメリット3つ

インフルエンサーマーケティング会社にPRの依頼を代行してもらう方法には、以下のようなデメリットがあることも把握しておく必要があります。

  • 4種類の方法の中で、最も費用が高額
  • 専門家であっても、必ず成功するとは限らない
  • 信頼できないインフルエンサーマーケティング会社も存在する

最大のネックは、ほかの方法よりも費用が高額になりがちな点でしょう。

ただし、インフルエンサーマーケティング会社が提供しているサービスは、人選・企画立案・ノウハウの提供・各種データ分析など、多岐にわたっています。

何より、人件費や失敗した時の損失を鑑みると、成功率の高いインフルエンサーマーケティング会社にPRの依頼を代行してもらう価値は、十分にあるでしょう。

直接インフルエンサーに依頼する際の例文

直接インフルエンサーにPRを依頼する方法は、ほかの方法よりも多くの業務を企業側が行わなければなりません。

とくに重要なのが、インフルエンサーとファーストコンタクトを取る工程です。

そこでこの章では、依頼文について以下の3項目に分けて解説していきます。

  • 依頼文に記載すべき必須項目
  • 依頼文のテンプレート(Good事例)
  • 依頼文のテンプレート(Bad事例)

では早速、上記の3項目について順番に見ていきましょう。

依頼文に記載すべき必須項目

インフルエンサーに受注してもらうには、何よりファーストインプレッションが重要です。

したがって、自社が常識ある企業のであること、なおかつ正式なPR依頼であることが相手に伝わるよう、ビジネスルールに則った文章で依頼文を作成しなければなりません。

インフルエンサーへのPR依頼文には、以下の項目を漏れなく記載しておきましょう。

▼記載項目

  • 企業名・所在地・連絡先
  • 窓口となる担当者の氏名
  • PRしたいブランド・商品・サービスの情報
  • どのようなターゲットへ向けてアピールしたいか
  • ギフティングやコラボレーションなど、予定している施策の種類
  • 報酬に関する一言

依頼文のテンプレート(Good事例)

以下のような依頼文は相手に好印象を与えるため、受注してもらえる確率が上がります。

◯◯(インフルエンサーの氏名)様

はじめまして。

突然のご連絡で失礼いたします。

株式会社××の△△(広報やマーケティングなど)担当××(氏名)と申します。

この度は、◯◯様に、ぜひ弊社が手掛けている××という商品(サービス)のプロモーションをお願いしたく思い、ご連絡させていただきました。

こちらの商品は○○向けに開発した新商品になっており、◯◯様のフォロワー層と非常に相性が良いと推察しております。

何より、○○様がInstagramに投稿されているコンテンツを拝見したところ、弊社の商品について深い理解があるとお見受けしました。

つきましては、弊社新商品について「先行無償トライアルのレビュー」と「キャンペーン期間中のPR投稿」をお願いしたいと考えております。

以下の参考資料をご覧いただき、もしご興味がございましたら、ご連絡をいただけますでしょうか?

弊社URL:https://○○〜

商品URL:https://△△〜

なお、具体的な依頼内容や報酬などの詳細につきましては、◯◯様と弊社の担当チームとで、一度ミーティングの機会を設けられればと考えております。

それでは、◯◯様からのご連絡を心よりお待ちしております。

◯◯株式会社

マーケティング担当◯◯

住所:○○

TEL:◯◯

Email:◯◯

上記のGood事例のように、以下5つのポイントを含めるのがポイントです。

  • ビジネスマナーを厳守した、丁寧な文章
  • 最初に会社名や担当者の氏名を名乗る
  • そのインフルエンサーに依頼したい理由
  • 参考資料の提示
  • 今後の流れを打診

なお、選定理由や報酬については、より具体的な方が好印象を与えます。

依頼文のテンプレート(Bad事例)

一方、以下のような依頼文は相手に不快感・不信感を与えるため、絶対に避けましょう。

はじめまして○○さん!

弊社の××に興味はありませんか?

今回は新商品のPRをお願いしたくて、連絡しました(^^)/

OKの場合はサンプルを無料で発送します。

もちろん、条件があれば相談可能です!

詳細を説明したいので、明日までに返信してください。

ぜひぜひ、ご連絡をよろしくお願いします(^^♪

なぜ上記の依頼文が悪い事例なのか、その主な理由は以下の5点です。

  • 文章がフレンドリーすぎる
  • 顔文字を乱発している
  • 依頼した理由がまったく分からない
  • 返信の期日を上から目線で指定するのは失礼
  • 施策や報酬についての情報がない
  • 企業の詳細情報が明記されていない

ビジネスルールを無視した稚拙な依頼文は、詐欺案件だと思われても既読スルーされても文句は言えません。

インフルエンサーにPRを依頼する際の注意点

最後に、インフルエンサーにPRを依頼する際の注意点として、以下の5つをご紹介します。

  • 依頼方法は自社の経験値に合わせて選ぶ
  • 投稿内容のすべてに指示を出せる訳ではない
  • PR依頼の費用は施策によって変動する

順番に解説していきます。

依頼方法は自社の経験値に合わせて選ぶ

インフルエンサーにPRを依頼する方法は、自社の経験値に合わせて選ぶのがセオリーです。

たとえば、初めて挑戦する場合や満足できる成果が出せていないなど、経験値が乏しい企業にとっては、プロ集団のバックアップが受けられるインフルエンサーマーケティング会社がおすすめです。

一方、ある程度の成果をあげている中程度の経験値がある企業であれば、インフルエンサーの選定だけに特化したマッチングプラットフォームを介して依頼する方法が良いでしょう。

社内に十分な人的リソースがあり、すでに満足できる成果をあげている経験豊富な企業なら、直接インフルエンサーに依頼する方法が、最もリーズナブルでおすすめです。

経験値が高く依頼したい相手が決まっている、もしくは大がかりなプロモーションを企画しているなら、直接インフルエンサーの所属事務所にコンタクトをとって、PR依頼を打診してみましょう。

投稿内容のすべてに指示を出せる訳ではない

インフルエンサーにとって最も重要なのは、フォロワーの満足度です。

したがって、たとえクライアントであっても根拠のないアピールや、意図的に盛ったレビューを強制的に投稿させることはできません。

なぜなら、日頃から推しをフォローしているユーザーは、いわゆる「やらせ」の雰囲気を敏感に察知してしまうからです。

インフルエンサーに本来の力量を発揮してもらうには、投稿内容の指定は最小限にとどめ、できるだけ裁量権を与えた方が良いでしょう。

事実、以下の記事でご紹介している成功事例では、インフルエンサーのオリジナリティーがタイアップ案件にも反映されており、通常の投稿と遜色ないクオリティになっています。

PR依頼の費用は施策によって変動する

大前提として、PR案件の費用は施策の内容・SNSの種類・投稿の頻度、さらにインフルエンサーが希望するフォロワー単価によっても変動します。

PR案件の費用は、「フォロワー数×フォロワー単価」で算出するのが一般的ですが、フォロワー単価の決定権を持っているのは依頼主ではなく、あくまでインフルエンサー側です。

まずはタイアップ内容の大枠を定めたうえで、企業側が希望するフォロワー単価を伝えて交渉してみましょう。

インフルエンサーマーケティングの費用については以下の記事で詳しく解説しおりますので、ぜひご一読ください。

まとめ:自社に合った方法でインフルエンサーにPRを依頼しよう!

インフルエンサーにPRを依頼する方法は大きく4種類あり、それぞれメリット・デメリットが異なります。

何より重要なのは、企業の経験値に合わせて適切な方法を選択することです。

経験値が浅いのに、費用が節約できるからと言って直接インフルエンサーにPRを依頼し、失敗に終わった事例は枚挙に暇がありません。

インフルエンサーにPRを依頼する際は、ぜひこの記事でご紹介した情報を参考にしてください。

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