YouTubeマーケティングとは?行うべき理由や活用法を解説
さまざまな業種の企業がYouTubeマーケティングによって、ブランドの認知拡大・購買の促進・顧客のファン化など、多くの成果を上げています。
ただし、すべての企業がYouTubeマーケティングで成功を収めている訳ではありません。
そこで今回は、YouTubeマーケティングの概要や優位性を解説したうえで、具体的な活用方法3つについてわかりやすく解説していきます。
YouTubeマーケティングを導入すべきか迷っている、または導入済みだが満足できる結果が得られていないという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
YouTubeマーケティングとは?
YouTubeマーケティングとは、動画配信サービスに特化したSNSプラットフォーム、「YouTube」を活用したマーケティング手法です。
YouTubeは動画配信に特化したSNSの内、世界で最も高い利用率を誇っており、子供から高齢者まで幅広いユーザー層に視聴されています。
自社の公式チャンネルから商品・サービスのPR動画を配信したり、インフルエンサーに宣伝を依頼したりすることで、ブランドの知名度アップや販売促進につなげることが可能です。
YouTubeマーケティングのメリット
YouTubeマーケティングを実施する主なメリットとして、以下の5点が挙げられます。
- 動画コンテンツが、永続的に会社の資産になる
- 広範囲かピンポイントか、ターゲッティングの方向性が選べる
- 公式Webサイトなど、他コンテンツへの導線になる
- ブランディングに効果的
- 認知度の向上に役立つ
YouTubeマーケティングは、訴求効果の高いマーケティング手法です。とくに「ブランディング効果」と「認知度の向上」は群を抜いています。
新たに導入されたショート動画が若い世代を中心に人気を集めているのも、YouTubeマーケティング注目されている理由です。
YouTubeマーケティングのデメリット
何かとメリットばかりが注目されがちなYouTubeマーケティングですが、少なからずデメリットも存在します。YouTubeマーケティングを導入する前に、以下のデメリットがあることも把握しておきましょう。
- 動画の制作や運営に、時間・手間・費用がかかる
- ステマなどの炎上リスクがある
とくに、2023年10月1日から「ステマ規制」がスタートしており、より高いレベルのITリテラシーが求められています。詳しくは、以下の記事を参照してください。
YouTubeの基本情報
YouTubeマーケティングの導入を検討しているなら、まずはプラットフォームの基本情報を把握しておく必要があります。
YouTubeの基本情報は、以下の通りです。
プラットフォームの正式名称 | YouTube (ユーチューブ) |
---|---|
運営会社 | Google社 (2006年11月~) |
リリース | 2005年12月15日 |
日本語版のリリース | 2007年6月19日 |
世界の月間アクティブユーザー数 | 24億9,100万人 ※2023年10月時点 (Statista調べ) |
国内の月間アクティブユーザー数 | 7,000万人 (18歳以上) ※2022年5月時点 (Google調べ) |
国内のメインユーザー層 | 全年代 |
世界のユーザー男女比 | 男性:約 54.4%/女性:約 45.6% ※2023年10月時点 (Statista調べ) |
とくに注目すべきは、18歳以上の国内月間アクティブユーザー数が7,000万人にも上っているという点です。この数値から、18歳以上の日本人の65%以上がYouTubeを視聴しているという事実が見えてきます。
続いて、総務省情報通信政策研究所が実施した、令和4年度(2022年)の調査結果をご覧ください。
出典:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
上記のグラフで分かる通り、YouTubeの国内利用率は全世代で87.1%に達し、LINEに次いで2番目に利用されていました。また、60代を除く全世代の利用率が85%以上、10代~30代にいたっては約95%にものぼっています。
すべての世代でこれほど高い利用率が報告されているのですから、多くの企業がYouTubeマーケティングを導入しているのも当然と言えるでしょう。
ちなみに、以下の記事では主要6種類のSNSについて詳しく解説しておりますので、ぜひ比較してみてください。
企業がYouTubeマーケティングを行うべき理由
小売店から大手メーカーまで、あらゆる業種の企業がYouTubeマーケティングを導入しています。そもそも、なぜこれほど多くの企業がYouTubeマーケティングを実施しているのか、疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、企業がYouTubeマーケティングを行うべき理由について、以下の3項目に分けて解説していきます。
- 2022年のSNS利用時間ランキング1位!
- 2022年の動画広告市場が5,601億円に到達!
- 2022年に購買の参考にしたSNSランキング1位!
では早速、上記の3項目について順番に見ていきましょう。
2022年のSNS利用時間ランキング1位!
企業がYouTubeマーケティングを行うべき1つ目の理由は、ユーザーの利用時間が他のSNSやWebサービスに比べて圧倒的に長い、という事実です。
まずは、ニールセンデジタル株式会社が実施した「Tops of 2022: Digital in Japan」の調査結果をご覧ください。
▼概要
出典:ニールセンデジタル株式会社「Tops of 2022: Digital in Japan」
上記の一覧表に記されている通り、YouTubeの利用時間は第1位を獲得しているだけでなく、2位のLINEに比べて約5倍もの大差をつけるほど長いのです。
ウィルス感染を防止するために、世界各国で巣ごもり生活が長引いていたのが、YouTubeユーザーの増加につながったと考えられます。
2022年の動画広告市場が5,601億円に到達!
2022年の動画広告市場が5,601億円に到達しているのも、多くの企業がYouTubeマーケティングを取り入れている理由です。
まずは、株式会社サイバーエージェントが実施した「2022年国内動画広告の市場調査」の結果をご覧ください。
出典:株式会社サイバーエージェント 2022年国内動画広告の市場調査
上記のグラフから分かる通り、2022年の動画広告市場は前年に比べて133.2%も拡大しており、実に5,601億円にものぼっていました。さらに2026年には、1兆2,451億円に到達すると予測されています。
SNS広告の表現方法は、長らく「静止画」と「テキスト」の組み合わせが主流でした。しかし、現在では「動画」という新たな選択肢が生まれ、SNS広告における表現方法の置き換えが進んでいます。
事実、一昔前は動画のプラットフォームと言えばほぼYouTube一択でしたが、新たにショート動画に特化したTikTokが参入し、InstagramやX(旧Twitter)でも動画を扱えるようになりました。
このような経緯を踏まえると、動画広告市場は今後も拡大し続けると考えられます。
2022年に購買の参考にしたSNSランキング1位!
企業がYouTubeマーケティングを行うべき3つ目の理由は、2021年・2022年ともにユーザーが「購買の参考にしたSNSランキング」でYouTube が1位に選ばれたという事実です。
以下のグラフで分かる通り、Glossom株式会社が実施した「ソーシャルコマースに関する定点調査2022」によると、商品を買う際に知る・参考にする・後押しとなる情報源として、63.8%の人に選ばれたYouTubeが第1位を獲得しています。
出展:Glossom株式会社
また、Googleは公式サイトで以下の調査結果を公開しており、YouTubeにユーザーの購買意欲を後押しする力があることを、数値で証明しています。
出典:Think with Google「YouTube をマーケティングのヒントに」
YouTubeマーケティングの種類
YouTubeマーケティングの主な活用方法は、以下の3種類です。
YouTubeマーケティングの活用方法 | こんな方におすすめ |
---|---|
自社チャンネルの運用 | リピーターの獲得や顧客単価の向上を目的とする方 |
YouTube広告の運用 | 即効性を求める方 |
YouTuber(インフルエンサー)の起用 | 費用対効果の高さを重視する方 |
3種類の活用方法には、動画を利用するという共通点があります。ただし、目的と活用方法が一致していなければ、期待通りの効果は得られません。YouTubeマーケティングを成功させるには、目的・求めている効果・重視するポイントに合わせて、活用方法を使い分ける必要があるのです。
また、YouTubeマーケティングは活用方法によって費用相場が異なります。後続の章では、それぞれの活用方法について具体的な事例を交えながら解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
活用方①:自社チャンネルの運用
前述したとおり、YouTubeマーケティングの活用方法は3種類あり、その1つが「自社チャンネルの運用」です。ここから、自社チャンネルの運用について以下の4項目に分けて解説していきます。
- 自社チャンネルの運用とは?
- 自社チャンネルの運用事例
- 自社チャンネルを運用するメリット
- 自社チャンネル運用の費用相場
では、順番に見ていきましょう。
自社チャンネルの運用とは?
リピーターの獲得や顧客単価の向上を目的とする企業におすすめなのが、「自社チャンネルの運用」です。
自社の活動・商品・サービスなどを紹介する動画コンテンツを、開設した自社のYouTube公式チャンネル上で公開する施策で、「アカウント運用」とも呼ばれています。
自社チャンネルの運用事例
こちらの「エンジニアファースト」は、フリーランス向けのエージェント業務を行っている、「株式会社グラントホープ」が運営するYouTube公式チャンネルです。
プログラミングの基礎や業界の面白ネタといったコンテンツは、短期的な集客や話題づくりとしては役に立ちます。
とはいえ、このような動画コンテンツは素人の間で話題になったとしても、本来のターゲット層である優秀なITエンジニアには響き難いのが実情です。
そこで、あえて初心者向けのエンタメ性を抑え、上級者向けの情報発信に特化することで、キャリアアップを希望している有望なITエンジニアの採用につなげています。
自社チャンネルを運用するメリット
企業が自社チャンネルを運用するメリットとして、以下の3点が挙げられます。
- 動画を無料で発信できるので、広告費がかからない
- 動画を定期的に配信することで、コアなフォロワーが増える
- 動画の再生回数が増えれば、外部企業からの広告収入が見込める
つまり、YouTube上で行う自社のチャンネルの運用には、企業の公式Webサイトと同レベルの効果があるのです。
自社チャンネル運用の費用相場
YouTubeのチャンネル開設をはじめ、動画コンテンツの作成・投稿・アクセス解析など、すべての作業を社内のリソースだけで行える場合、必要な経費は基本的に以下のみで済みます。
- 機材の購入費
- スタジオ代金
- 社内の人件費
一方、自社チャンネル運用を外部のSNS運用代行会社に依頼する場合、費用相場の目安は以下の通りです。
- 動画の編集のみ:5千円~3万円ほど/1本あたり
- 動画の企画+制作+編集:5万円~10万円/1本あたり
- 動画の企画+制作+編集+投稿+返信・分析:50万円~100万円以上/月額
ちなみに、動画コンテンツの制作だけをフリーランスに依頼する場合は、スキルによって多少の差はあるものの、月額5万円ほどが目安となります。
なお、自社チャンネルの運用をプロ任せたいという方は、以下の記事を参考にしてください。
活用法②:YouTube広告の運用
続いてご紹介するYouTubeマーケティングの活用方法は、「YouTube広告の運用」です。この章では、初めてYouTube広告に挑戦する方にも分かりやすいよう、以下の4項目に分けて解説していきます。
- YouTube広告の運用とは?
- YouTube広告の運用事例
- YouTube広告を運用するメリット
- YouTube広告運用の費用相場
では早速、上記の4項目について順番に見ていきましょう。
YouTube広告の運用とは?
即効性を求める企業、または自社の公式チャンネルを持っていない企業におすすめなのが、「YouTube広告の運用」です。
主なYouTube広告は以下の4種類があり、それぞれ特徴が異なります。
YouTube広告の種類 | 特 徴 |
---|---|
インストリーム広告 | ・動画の始まりと途中で表示される ・再生開始から5秒後にスキップが可能になる ・30秒以上の視聴、またはタップによって広告料金が発生 |
バンパー広告 | ・動画の始まりと途中で表示される ・再生開始から6秒後にスキップが可能になる ・表示回数が1,000回に達すると、課金される |
ディスカバリー広告 | ・検索結果や関連動画一覧の上部に表示される ・リンクをクリックすると再生がスタートし、料金が発生する |
マストヘッド広告 | ・ホーム画面の最上部に表示される ・最長30秒間、自動再生される ・パソコンやスマホなど、デバイスを問わず出稿可能 |
YouTube広告の運用事例
出典:YouTube
こちらは、Adobeが出稿しているYouTube広告です。メイン画面では「バンパー広告」が、画面右上には「ディスカバリー広告」が表示されています。
YouTube広告を運用するメリット
YouTube広告を運用する主なメリットは、以下の4点です。
- 自社チャンネルがなくても投稿できる
- TVCMよりも費用対効果が高く、予算に応じて費用をコントロールできる
- 一定時間スキップ不可な広告が多く、見てもらえる機会を確保できる
- Google広告アカウントから、細かいターゲティング設定が可能
YouTube広告運用の費用相場
YouTube広告の費用相場と課金方法は、以下の通りです。
YouTube広告の種類 | 費用相場 | 課金方法 |
---|---|---|
インストリーム広告 | 最低入札単価= 2円~25円 | ・30 秒以上視聴した場合(CPV) ・広告リンクをクリックした場合(CPC) |
バンパー広告 | 1,000回の表示= 400円~600円 | ・表示回数によって課金(CPM) ※課金されるのは1,000回~ |
ディスカバリー広告 | 最低入札単価= 3円~20円 | ・広告リンクをクリックした場合(CPC) |
マストヘッド広告 | 1日数百万円になることもある | ・日数ベースでカウントして課金(CPD) ・表示回数によって課金(CPM) ※課金されるのは1,000回~ |
ちなみに、CPVは再生1回あたりの料金、CPCはクリック1回あたりの料金、CPMは広告表示1,000回あたりの料金、CPDは1日あたりの広告料金を指しています。
活用法③:YouTuber(インフルエンサー)の起用
この章では、「YouTuberの起用」について以下の4項目に分けて解説します。
- YouTuberの起用とは?
- YouTuberの起用事例
- YouTuberを起用するメリット
- YouTuber起用の費用相場
では、順番に見ていきましょう。
なお、以下の記事でもYouTuberの起用について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
YouTuberの起用とは?
費用対効果の高さを重視する企業や、自社の公式チャンネルを持っていない企業におすすめなのが、「YouTuberの起用」です。
自社のブランド・商品・サービスなどのPRプロモーションをYouTubeで人気のインフルエンサー、つまりYouTuberに依頼することで、多くの企業が実益を得ています。
なお、インフルエンサーの市場規模については以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。
YouTuberの起用事例
こちらは事例は、チャンネル登録者数 47.1万人を誇る人気YouTuber「ももち Momochi / 牛江桃子」さんと、トレンドを押さえたプチプラファッションを提供しているECサイト、fifth(フィフス)を運営する「株式会社CODE SHARE」のコラボ企画です。
元アパレル店員の「ももち」さんがコーデを提案することで、ユーザーの購買意欲を促しています。また、視聴者限定の特別割引クーポンを配布しているのも、お手本にしたいテクニックです。
以下の記事ではYouTuberの起用事例も紹介していますので、ぜひ自社のインフルエンサーマーケティングにお役立てください。
YouTuberを起用するメリット
企業がYouTuberを起用するメリットとして、以下の点が挙げられます。
- ターゲティング精度が高い
- 広告感が薄い
- 広告ブロック機能を回避できる
- 施策の選択肢が豊富
- 信用されやすい
- 説明が消費者目線で分かりやすい
- フォロワーからの拡散が期待できる
フォロワーは自身が関心を寄せているジャンルを扱っているYouTuberに対し、強い共感・憧れを抱く傾向がみられます。だからこそ視聴者は、気に入ったYouTuberが投稿している他の動画も手軽に見られるよう、チャンネル登録をしているのでしょう。
実際、企業のターゲット層と同じフォロワー層を獲得しているYouTuberがタイアップを組んで、想定していた以上の成果を上げが事例も数多く報告されています。
なお、YouTuberを起用するメリットの詳細については以下の記事でも解説していますので、ぜひご一読ください。
YouTuber起用の費用相場
自社のブランド・商品・サービスなどのPRをYouTuberに依頼する際の費用相場は、「チャンネル登録者数」や「動画の再生回数」によって変動します。
費用の算出方法は2種類ありますが、最も一般的なのはチャンネル登録者数を用いる以下の式です。
●チャンネル登録者数×4円~15円(1投稿あたりのフォロワー単価)
たとえば、チャンネル登録者数が10万人だった場合、そのYouTuberに支払う費用相場は「40万円~150万円」となります。
一方、動画の再生回数を用いる場合は、以下の式で算出します。
●平均再生回数×10円~20円(1投稿あたり再生単価)
つまり、平均再生回数が10万人だった場合の費用相場は、「100万円~200万円」となります。
チャンネル登録者数よりも動画の再生回数の単価の方が高い、どちらも多くなるほど単価が高くなる、この2点を覚えておきましょう。
ちなみに、動画の作成は手間と時間がかかる分、静止画とテキストだけのコンテンツより高額になるのが特徴です。
詳しくは、以下の記事を参照してください。
YouTubeマーケティングで自社の業績を伸ばそう
YouTubeマーケティングは、ブランドの認知拡大・購買の促進・顧客のファン化など、多くの効果が期待できる優れたマーケティング手法です。
ユーザー数の規模や動画広告の市場規模が拡大していることからも、YouTubeマーケティングの有効性に疑う余地はありません。
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