【2024年版】インフルエンサーマーケティングの市場規模と2027年までの見通し
目次
日本におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模が2027年に「1,302億円」まで到達する見通し、という嬉しいニュースが飛び込んできました。
加えて、海外の市場規模も順調に拡大しており、2027年には「419億米ドル」まで、さらに2030年までに「910億2,960万米ドル」まで到達すると予想されています。
そこで今回は、海外・国内ともにインフルエンサーマーケティングの市場規模がどの程度成長しているのか、今後も拡大し続けるのか、実際の調査結果を元に検証してみました。
後半では、今からインフルエンサーマーケティングを始めるコツについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
インフルエンサーマーケティングの市場規模【海外】
インフルエンサーマーケティングの市場規模は、日本・海外ともに順調に拡大し続けています。
そのうえ、日本に比べて海外の方が10倍以上も規模が大きいと言われているほど、巨大化しているのです。
この魅力的なアドバンテージを活かすべく、自社の商材やサービスを武器に、海外展開を検討している企業さまも多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、海外におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模についてご紹介します。
組織・企業向けにさまざまなジャンルの調査を手掛けている「Report Ocean」が、2021年12月16日に発表したレポートによると、インフルエンサーマーケティングプラットフォームの世界市場について、下記のような結果が報告されています。
- 2020年の評価額は、約60億米ドル
- 2021~2027年にかけて、32%以上の健全な成長率が予測されている
- 2027年に「419億米ドル」に達する見込み
一方、株式会社グローバルインフォメーション(Global Information)が2023年2月22日に公式サイトで公開したレポートでは、今後の世界インフルエンサーマーケティング市場について、下記のように予測されています。
- 2030年までに、「910億2,960万米ドル」に達すると予想される
- 推定期間中に、26.7%のCAGRペースで発展する見込み
2種類の調査結果を総合すると、海外のインフルエンサーマーケティング市場は、今後ますます拡大していくと言ってよいでしょう。
また、欧米の成長率もさることながら、アジア圏では中国の成長が際立っており、すでに2020年時点で約1,000元(約1兆7千億円)にものぼるそうです。
インフルエンサーマーケティングの市場規模【国内】
ここからは、いよいよ日本国内におけるインフルエンサーマーケティングの市場規模について見ていきましょう。
今回ご紹介する調査結果は、下記の3種類です。
- 【2023年】ソーシャルメディアマーケティングの市場規模
- 【SNS別】インフルエンサーマーケティングの市場規模
- 【手法別】インフルエンサーマーケティングの市場規模
ここからは、3種類の調査結果それぞれについて画像つきで解説していきますので、ぜひ自社のマーケティングに役立てて下さい。
【2023年】ソーシャルメディアマーケティングの市場規模
国内におけるインフルエンソーマーケティングの市場規模をご紹介する前に、ベースとなるソーシャルメディアマーケティング市場規模について把握しておきましょう。
下記のグラフは、各種SNSの市場規模を総合し、現時点までの成長率から近未来を予測して視覚化しています。
ご覧の通り、全SNSを総合した市場規模は著しく伸びており、2027年には2020年の6倍以上もの成長が見込まれているのです。
これだけパイが大きいのですから、SNS上でのプロモーションを検討してみる価値は十分にあります。
また、社内でマーケティングを担当している方は、下記2点の注目ポイントについても押さえておきましょう。
- 2023年以降も、安定して拡大していくと予想される
- 2027年には、2023年比の約1.7倍にあたる1兆8,868億円になる見通し
【SNS別】インフルエンサーマーケティングの市場規模
「インフルエンサーマーケティングを導入するなら、より多くの人が見ているSNSで始めたい!」と思われている企業さまも多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、SNS別のインフルエンサーマーケティング市場規模について、解説していきます。
まずは、株式会社サイバー・バズ(CyberBuzz)が実施した「国内インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測2020年~2027年」という調査結果のグラフをご覧ください。
上記のグラフで分かる通り、主要4種類のSNSすべてが順調に市場規模を拡大しており、今後も右肩上がりの傾向は続くと予想されています。
インフルエンサーマーケティングの今後について、マーケティング担当者が押さえておくべきポイントは、下記の2点です。
- 2027年には、1,302億円に達すると予測
- 2027年の予測額は、2023年度比で約1.8倍
予測の総額もさることながら、わずか4年で2倍近くもインフルエンサーマーケティングの市場規模が拡大するのは、嬉しい驚きです。
ただし、「市場規模が大きいSNS=成果が得やすい」という単純なロジックは通用しません。
SNSごとに特徴があるため、メインユーザーの傾向や向いているコンテンツのタイプなど、多角的な要素を比較検討してから、参入するプラットフォームを決定しましょう。
【手法別】インフルエンサーマーケティングの市場規模
続いてご紹介する下記のグラフは、国内インフルエンサーマーケティングの市場規模を手法別に調査した結果です。
SNSマーケティングにはさまざまな手法の種類がありますが、上記の調査結果では代表的な4つの手法について取り上げており、いずれも健全な成長を遂げているのが分かります。
こちらの調査結果からも、4種類の手法を総合した際の注目ポイントをピックアップしてみました。
- 2027年には、663億円に達すると予測
- 2027年の見込み額は、2023年比で約1.5倍
インフルエンサーマーケティングの将来性は?
結論から言うと、インフルエンサーマーケティングの需要・市場規模ともに、今後も健全な成長を遂げる可能性が極めて高いです。
たしかに、本記事の前半でご紹介したデータは、過去から現時点までの成長曲線を元に導き出しているため、あくまで予測にすぎません。
にもかかわらず、なぜインフルエンサーマーケティングの将来性について高確率で順調に伸びると言えるのか、その理由は2つあります。
1つ目の理由は、「コロナ禍でも大きな成長を遂げた稀な市場」という点です。
実際、数年間にわたって続いたコロナ禍によって、規模は異なるものの多くの市場が何等かのネガティブな影響を受けていました。
接客業やインバンド市場だけでなく、製造業から公務員にいたるまで、さまざまな分野で市場が停滞していた中、ほぼ無傷だったどころか順調に拡大していたのが、インフルエンサーマーケティングの市場なのです。
もちろん、自宅で過ごす時間が長くなったなど、インフルエンサーマーケティングにとって有利な条件が揃っていたのは事実です。
しかし、それらの強みを踏まえても、これだけ多くの市場が混乱していた中で成長した市場が、今後数年間で停滞するとは考えにくいでしょう。
2つ目の理由は、インフルエンサーマーケティングが「日本で認知されてから、まだ十数年しか経っていない」という点です。
インフルエンサーマーケティングが日本で認知されるようになったのは2010年頃ですから、今後も発展する余地は十分にあると言えるでしょう。
各SNS市場の現状
国内インフルエンサーマーケティングの主戦場になっているSNSは、下記の5種類です。
- YouTube
- TikTok
ここからは、上記5種類のSNSについて現状を解説していきます。
なお、SNSごとの特徴については下記の記事にて詳しく解説していますで、ぜひご一読ください。
Instagramは、いわゆるお洒落女子が集まっているSNSとして定評があり、インスタ映えする写真やコーデを紹介しているコンテンツが目を引きます。
そのため、他のSNSよりもファッションやコスメ業界の企業案件が多めです。
インフルエンサーマーケティングの舞台としてInstagramを検討されている企業さまは、下記の基本情報を参考にして自社商品との相性を検討して下さい。
- 主なユーザー層:10~30代の女性(男女比4:6)
- PRに適しているジャンル:ファッション、美容、旅行、グルメ、育児
- 月間アクティブユーザー数:3,300万人
YouTube
「小学生の男の子がなりたい職業№1」という調査結果が出ているほど、あらゆる世代に愛用されているのが、YouTubeの強みです。
最近ではTikTokのようなショート動画も投稿できるようになったので、これから初める方にとっては市場が混み合っていない今が狙い目かもしれません。
なお、YouTubeの基本情報は下記の通りです。
- 月間アクティブユーザー数:7,000万人
- 主なユーザー層:全世代
- PRに適しているジャンル:・ハウツー系、ノウハウ系、BtoB企業、ブランディングを強化したい企業
TikTok
TikTokは世界中で爆発的にユーザー数を伸ばしている、ショート動画専門のSNSです。
とくに中高生をターゲットにしている商材との相性が抜群。
簡単に動画の編集ができるため、ユーザー自作の投稿を募集するキャンペーンにも向いています。
まずは、TikTokの基本情報と自社商品の相性を確認してみましょう。
- 月間アクティブユーザー数:約 1,700万人
- 主なユーザー層:10~20代
- PRに適しているジャンル:若年層をターゲットにしている企業
X(旧:Twitter)
「X」の強みと言えば、何と言っても優れた拡散力でしょう。
本編はYouTube、告知はXで、といった具合に他のSNSと併用している企業案件も、よく見かけます。
Xの基本情報は、下記の通りです
- 月間アクティブユーザー数:4,500万人
- 主なユーザー層:10~30代
- PRに適しているジャンル:キャンペーンやイベント告知
実名制を採用しているFacebookは、ビジネスパーソンに適しているSNSです。
とくに欧米では名詞代わりになるほど、ビジネスシーンに馴染んでいます。
世界中に店舗を構えているユニクロも、Facebookの企業アカウントを取得しているそうです。
基本情報からも分かる通り、日本国内の月間アクティブユーザー数はさほど多くはありませんが、国際的には膨大なシェアを誇っています。
- 月間アクティブユーザー数:2,600万人
- 主なユーザー層:30~50代
- PRに適しているジャンル:ターゲットが中高年の商材、海外展開を目指している企業
まだ間に合う!これからインフルエンサーマーケティングを始める4つのポイント
前述した通り、日本で認知されてから十数年しか経っていないインフルエンサーマーケティングの市場は、まだまだ発展途上と言われています。
今から参入しても、十分に勝機はあるはずです。
そこでこの章では、これからインフルエンサーマーケティングを始めるポイントについて、下記4項目に分けてご解説していきます。
- マイクロインフルエンサーが狙い目!
- フォロワー数よりコンテンツの「質」を重視する!
- リスクマネージメントを怠らない!
- プラットフォームの変化を見逃さない!
では早速、順番に見ていきましょう。
マイクロインフルエンサーが狙い目!
インフルエンサーマーケティングの最大の難関は、インフルエンサー選定の難しさです。
フォロワー数が多いインフルエンサーは、リーチ力が高い反面、エンゲージメント率が低いのが難点。
そこでおすすめしたいのが、フォロワー数3万未満ながらエンゲージメント率が高い、マイクロインフルエンサーです。
インフルエンサーの報酬は一般的にフォロワー単価で決まるため、費用面が抑えられるのも嬉しいポイント。
もちろん、商材のターゲット層とフォロワー層の属性が一致していることが大前提となります。
なお、マイクロインフルエンサーについては下記の記事を参照してください。
フォロワー数よりコンテンツの「質」を重視する!
2つめのポイントは、フォロワー数よりもコンテンツの「質」を重視することです。
どんなに知名度が高く、膨大なフォロワー数を抱えているインフルエンサーを起用しても、肝心のコンテンツに魅力がなければ、成果にはつながりません。
まずは、同じジャンルの商材でインフルエンサーマーケティングを展開しているコンテンツを探し出し、研究するところから始めましょう。
リスクマネージメントを怠らない!
インフルエンサーマーケティングで最も重要なリスクマネージメントは、ステマの予防です。
ステルスマーケティングによって一度でも炎上してしまうと、企業が被る損実は金銭面に留まらず、社会的な信頼まで失墜しかねません。
インフルエンサーに企業案件を依頼する際は、必ず「○○会社とのタイアップ企画」などのコメントや「♯宣伝」などのハッシュタグを明記しておきましょう。
もちろん、表現方法にも一定のルールがあるため、事前にネットリテラシーについて学んでおく必要があります。
なお、ステマのリスクや予防法については、下記の記事で詳しく解説しております。
プラットフォームの変化を見逃さない!
プラットフォームは、意外と頻繁にアップデートを繰り返しています。
最近ではYouTubeでショート動画が始まっていますし、Instagramでもリール動画が続々と投稿されています。
特筆すべきは、「参入するのが遅かったかも…」と思われている企業さまにとっては、プラットフォームの変化が最大のチャンスになる可能性が高い、という点です。
先に始めていた同業他社が新しい機能を使いこなす前に、挑戦してみてはいかがでしょうか。
インフルエンサーマーケティングの市場規模は今後も拡大傾向!
インフルエンサーマーケティングの市場規模は、コロナ過でも成長し続けたほどのポテンシャルを持っています。
本記事でご紹介した調査結果でも予測されている通り、今後も継続的に市場規模が拡大していくでしょう。
何より本格的に始動してから十数年しか経っていないのですから、まだまだ発展途上の段階と考えられます。
パイが巨大な海外で事業展開を検討している方はもちろんですが、日本国内だけでも十分に市場規模の拡大が期待できるでしょう。
おすすめの代理店
ディレクション型
マッチング型
事務所型