インフルエンサーマーケティングの9のメリット!やり方も解説

ここ数年で導入する企業が増えたインフルエンサーマーケティングですが、なぜ多くの企業が取り入れているのでしょうか?

それは、他の広告手法とは違うベネフィットがたくさんあるからです。

今回は、そんなインフルエンサーマーケティングのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。

インフルエンサーマーケティングとは?

インフルエンサーマーケティングとは、主にSNS上で人々の感情や行動に影響を与えているインフルエンサーに、商品やサービスなどのPRを依頼するマーケティング手法です。

インフルエンサーとは、YouTube ・Instagram・Twitterといった各種SNSを介して情報を発信し、大勢のフォロワーやチャンネル登録者を有している大きな影響力を持つ人物を指します。

インフルエンサーのファンは自由意志でその人物のファンとなっているため、インフルエンサーを介して商品を紹介していただくことで、ユーザーにとっては広告感が薄まった商品の訴求効果が期待できるのです。

インフルエンサーの種類と特徴

インフルエンサーは、フォロワー数によって以下4つのレベルに分けられます。

フォロワー数が多いとエンゲージメントが低くなり、フォロワー数が少ないとエンゲージメントが高くなる傾向にあります。

インフルエンサーマーケティングの9つのメリット

インフルエンサーマーケティングの主なメリットは、以下の9点です。

  • 展開できる施策が豊富
  • ターゲティング精度が高い
  • 広告感が薄いので受け入れられやすい
  • 広告ブロック機能を回避できる
  • 情報を信用してもらいやすい
  • 説明がわかりやすい
  • フォロワーからの拡散が期待できる
  • 効果分析がしやすい
  • 自社サイトのSEO強化につながる

ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

展開できる施策が豊富

施策の豊富さは、インフルエンサーマーケティングを導入する代表的なメリットです。

具体的な施策として、以下の5種類が挙げられます。

ギフティング企業がインフルエンサーに製品やサービスを提供し、実際に体験・利用した感想をSNSに投稿してもらう。
ライブコマースインフルエンサーにライブ配信で商品・サービスなどを紹介してもらう手法。リアルタイムでユーザーからの質問に答えられるので、ユーザーの不安が解消され、購買につながりやすい。
アンバサダー特定のインフルエンサーをブランド専属の「大使(広告塔)」に任命し、商品・サービスなどの魅力を長期的にSNSで投稿してもらうPR施策。
コラボレーション企業とインフルエンサーがタッグを組み、コラボ商品・サービスの企画・開発・販売を共同で行う施策。
現地訪問実店舗で「1日店長」として接客業務をこなしてもらったり、イベントにゲストとして出演してもらったりして、集客効果を狙う施策。

自社にとって最適なプロモーションが実施できるよう、あらかじめPR施策ごとの特徴を理解しておきましょう。

ターゲティング精度が高い

ターゲティング精度が高いのも、インフルエンサーにPRを依頼する代表的なメリットです。

インフルエンサーには、美容系・ファッション系・エンタメ系・副業系・グルメ系など、得意なジャンルを持っているケースが多いという傾向があり、そのジャンルに興味・関心のあるフォロワー(ファン)が集まってコミュニティを形成しています。

したがって、自社がPRしたいジャンルの情報を日頃から発信しているインフルエンサーに依頼できれば、高いターゲティング精度で訴求できるのです。

広告感が薄いので受け入れられやすい

広告感が薄くてユーザーに受け入れられやすいという点もメリットのひとつでしょう。

企業側が一方的に発信する「広告」に対し、抵抗感や不快感を抱く消費者も少なくありません。

一方、インフルエンサーが自身のフォロワーに向けて発信した投稿は、たとえ宣伝であっても「信用できる人物からの口コミ」や「憧れの人のレビュー」として、受け取ってもらいやすいのです。

広告ブロック機能を回避できる

広告ブロック機能を回避できるのも、インフルエンサーマーケティングならではのメリットでしょう。

広告ブロック機能は、広告だけを非表示にできる仕組みのことです。

その点、インフルエンサーが発信している情報は、たとえ宣伝目的であってもあくまで「SNSの投稿」として扱われるため、広告ブロック機能の影響を受けません。

つまり、インフルエンサーマーケティングなら、日頃から広告を非表示にしている消費者にもアプローチできるのです。

情報を信用してもらいやすい

企業が発信している情報よりもユーザーに信用されやすい点も、インフルエンサーマーケティングの大きな強みです。

消費者は、企業が売上・集客・認知度アップといった目的を達成するために、広告を出していることを理解しています。

広告を見た消費者の中には、「これって本当?」「大袈裟にアピールしているのでは?」と疑う人もいるでしょう。

一方、実在する人物、しかもユーザー自身が支持しているインフルエンサーからの投稿なら、「この人が言うなら信用できる!」と思ってもらいやすいのです。

説明がわかりやすい

インフルエンサーマーケティングには、商品やサービスなどの説明がわかりやすいという、購買意欲の向上につながる大きなメリットがあります。

まずは、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが2021年12月に実施した「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」の結果をご覧ください。

出展:株式会社SHIBUYA109エンタテイメント

上のグラフでわかる通り、400名(15~24歳)を対象に行われたWeb調査によると、インフルエンサーが紹介している商品を購入した理由1位は、「紹介がわかりやすいから」という結果だったのです。

フォロワーからの拡散が期待できる

インフルエンサーマーケティングのメリットといえば、何といっても「拡散力の高さ」でしょう。

インフルエンサーは、自身が扱っているジャンルに興味・関心を持っているフォロワー群へ向けて、情報を発信しています。

たとえば、影響力の大きいインフルエンサーが商品の口コミを投稿すると、共感したフォロワーから「いいね」「リツイート」「コメント」などが集まり、さらにはユーザー伝いにシェアされた情報が爆発的に拡散される、いわゆる「バズる」という現象が発生することもあるのです。

効果分析がしやすい

効果測定・分析がしやすいのも、インフルエンサーマーケティングの強みです。

たとえば、テレビCMに対して効果測定を行う場合、視聴者が画面を見ているか、それとも席を外しているかを正確に測定するのは簡単ではありません。

また、好意的な印象を受けた人の人数や感想などを知るには、別途アンケート調査などを実施する必要もあるでしょう。

その点、インフルエンサーマーケティングにおいては効果測定に役立つ機能が各SNSに備わっており、投稿の表示回数はもちろん「いいね」や「リツイート」といったエンゲージメントの数値を手軽に把握できるのです。

自社サイトのSEO強化につながる

自社サイトのSEO強化につながるのも、インフルエンサーマーケティングを導入する大きなメリットです。

たとえば、PR投稿に公式サイトや商品ページのリンクを設定しておけば、SNSからのアクセスアップが見込めます。

また、近年の傾向としてSNS上で社名や商品名などが言及される機会が多いほど、Googleの検索結果で上位表示されやすくなるともいわれています。

そういった点からも、インフルエンサーマーケティングは自社サイトのSEO強化に一役かっているのです。

インフルエンサーマーケティングのデメリット6つ

インフルエンサーマーケティングの主なデメリットは、以下の6点です。

  • インフルエンサーの選定が難しい
  • インフルエンサーとの良好な関係構築が必須
  • 炎上リスク
  • ステルスマーケティングだと誤解されるリスク
  • 薬機法・医療法・景表法違反のリスク
  • 高いリテラシーが必要

ここからは、それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。

インフルエンサーの選定が難しい

インフルエンサーマーケティングのデメリットは、インフルエンサー選定の難しさです。

たとえば、単純にフォロワー数の多さだけでインフルエンサーを選んでも、商材との親和性が乏しかったり過去にステマによる炎上経験があったりすると、期待通りの結果は得られません。

インフルエンサーを選定する際は、以下の項目すべてを確認しておきましょう。

  • ブランドの世界観とマッチしているか?
  • PRする商材と得意ジャンルが一致しているか?
  • 企業からプロモーション依頼を受けた経験はあるか?
  • 予測できる費用対効果は見合っているか?
  • 過去のPR投稿でトラブルは発生していないか?
  • お金でフォロワーを買っていないか?

インフルエンサーとの良好な関係構築が必須

仮に、理想的なインフルエンサーに依頼できたとしても、必ずしもプロモーションが成功するとは限りません。

とくに失敗例としてありがちなのが、コミュニケーション不足によってインフルエンサーと良好な関係が保てず、施策の意図や方向性がズレてしまうケースです。

中には、コンテンツの作り直しで調整コストがかさんでしまう、あるいは企業の方針よりも自身のこだわりを優先するインフルエンサーもいます。

施策を成功させるには、内容をすり合わせるために事前の打ち合わせを密に行い、インフルエンサーと良好な信頼関係を構築しておくことが重要です。

炎上リスク

炎上リスクは、インフルエンサーマーケティングの最大のデメリットといっても過言ではありません。

インフルエンサーの投稿内容にルール違反があった場合、高い拡散力が災いしてネガティブな情報がSNS上を駆け巡り、短時間で炎上する可能性が高いのです。

ステルスマーケティングだと誤解されるリスク

前述した炎上リスクの代表的な要因として、ステルスマーケティング(ステマ)も挙げられます。

ステマとは、ユーザーに対して「PR」と知らせずにプロモーションを行う手法のことです。

たとえ正規の依頼でも、投稿にPRタグの挿入していなかったり、「〇〇会社とのコラボ企画」や「○○ブランドから商品を提供していただきました」など、クライアント企業との関係性が一目でわかる一文を載せていなかったりすると、消費者にステマと見なされてしまいます。

ステマと判断されると、最悪の場合アカウント停止にもつながりかねないため、必ず注意しておきましょう。

薬機法・医療法・景表法違反のリスク

薬機法・医療法・景表法の違反も、インフルエンサーマーケティングで炎上する要因です。

しかも、これらの法律は規制が厳しいため、正しい知識を身に付けていないインフルエンサーの投稿に不備があると、商品の優良誤認・誇大表現と見なされて罰則が科せられる可能性があります。

これらの法律が絡む場合は、必ず正しい知識を有したインフルエンサーを選定するか、別途監修者を設置するようにしましょう。

高いリテラシーが必要

インフルエンサーには、前述した法令違反やステマ以外にも、高いリテラシーが求められます。

プライバシーの侵害や差別的な発言、競合他社を貶めるようなコンテンツを投稿したインフルエンサーが、社会から批判を浴びるのは当然でしょう。

もちろん、PRを依頼した企業も責任者として批判の対象になります。

個人的な感想や見解をPRに活用できるインフルエンサーマーケティングだからこそ、常に「モラル」や「配慮」に欠けた投稿をしないよう、社会情勢やSNSに対する高いリテラシーを有しておく必要があるのです。

インフルエンサーマーケティングのやり方5ステップ

インフルエンサーマーケティングは、以下の手順で進めるのが一般的です。

step
1

目的を明確にし施策の方向性を決める

最初に、インフルエンサーマーケティングの目的を明確にします。たとえば、ブランドの認知向上、製品の売上向上、新製品のローンチなど。目的に合わせて、インフルエンサーマーケティングの方向性を決定します。
step
2

KPIを設定する

目的に合わせて、キーパフォーマンス指標(KPI)を設定します。これは、目的達成を評価するための具体的な数値や指標です。たとえば、インプレッション数、エンゲージメント率、売上増加率などが挙げられます。
step
3

インフルエンサーの選定

目的とターゲットオーディエンスに合ったインフルエンサーを選定します。適切なインフルエンサーは、フォロワー数だけでなく、そのフォロワー層の質や関連性も考慮する必要があります。
step
4

インフルエンサーと契約

目的とターゲットオーディエンスに合ったインフルエンサーを選定します。適切なインフルエンサーは、フォロワー数だけでなく、そのフォロワー層の質や関連性も考慮する必要があります。
step
5

施策を実行効果検証

施策の効果を検証します。KPIを元に、目的達成度やキャンペーンの成功度を評価し、今後の改善点や戦略の見直しを行います。

これらの手順にしたがって、戦略的なインフルエンサーマーケティングを行うことで、ブランドの認知向上や売上増加などの効果を最大化できます。

インフルエンサーの選定方法4選

インフルエンサーを選定する主な方法は、以下の4種類です。

SNS上で直接インフルエンサーにコンタクトを取る興味のあるインフルエンサーを企業が直接SNS上で見つけ、コンタクトを取る方法です。特定のインフルエンサーに焦点を当てたい場合や、個別の提携条件を細かく調整したい場合に適しています。
インフルエンサー代理店会社に依頼するインフルエンサーをプロモーションする専門の代理店や会社を活用する方法です。これらの代理店は、企業のニーズに合ったインフルエンサーを選定し、キャンペーン企画の実施、効果測定のサポートまで行ってくれます。この方法が一番主流となっています。
所属事務所に依頼する一部の有名なインフルエンサーは、事務所に所属している場合があり、企業は事務所を通じてインフルエンサーとの提携を進めることがあります。事務所は企業とインフルエンサーの交渉や契約の管理における調整を行ってくれます。
インフルエンサーマッチングプラットフォームを活用するインフルエンサーマッチングプラットフォームを利用することで、インフルエンサーと簡単にマッチングできます。プラットフォームでは、そのインフルエンサーのフォロワーやファン層の統計データ、過去のコンテンツなどを把握できるため、効果的な選定のサポートをしてくれます。

どの方法を選ぶかは、企業のニーズや目的、インフルエンサーのターゲット層によって異なります。それぞれの方法をよく理解し、戦略的なインフルエンサーの選定を行うことが重要です。

インフルエンサーマーケティングの費用相場

インフルエンサーの報酬は、「フォロワー数×フォロワー単価」で算出するのが一般的です。

フォロワー単価の相場は2円~5円といわれていますので、例えばフォロワー数が20万人のインフルエンサーに依頼する際の報酬は、40万円~100万円が相場となります。

ただし、フォロワー単価はプラットフォームの種類や知名度によって異なる上、相場よりも高額または安価な報酬額で企業からの依頼を受けるインフルエンサーもいますので、あくまで目安として参考にしてください。

また、インフルエンサーマーケティングの予算を立てる場合は、インフルエンサーに支払うギャラに加えて、以下の費用が発生する可能性も考慮しておきましょう

  • インフルエンサーに提供する、商品代や送料
  • インフルエンサー代理店会社に人選から効果測定までを依頼するディレクション費用
  • イベントのゲスト出演に伴う、交通費や宿泊費
  • マッチングプラットフォームのシステム利用料

インフルエンサーマーケティングの成功事例3選

最後に、インフルエンサーマーケティングの成功事例を3つご紹介します。

  • LuLuLun(ルルルン)×Airi Katoさん
  • 株式会社バンズダイニング×エハラ家チャンネルさん
  • いい部屋ネット×@小豆さん&東海オンエアのりょうさん

LuLuLun(ルルルン)×Airi Katoさん

最初にご紹介するのは、株式会社グライド・エンタープライズが手掛ける化粧品ブランド「LuLuLun(ルルルン)」が実施した、インフルエンサーマーケティングの成功事例です。

成功要因としては、SNSの中でも美容情報に敏感な女性に人気のInstagramを選択したことでしょう。

さらに、美容・コスメ関連の人気インスタグラマーとして、若い女性を中心に20.3万人のフォロワー(2023年7月時点)から支持されている「Airi Katoさん」を起用することで、投稿後わずか1週間ほどで約1万4,000件もの「いいね!」を獲得し、大成功を収めています。

株式会社バンズダイニング×エハラ家チャンネルさん

2つ目にご紹介するのは、株式会社バンズダイニングが運営する居酒屋「伊達のくら」が提供している、「お取り寄せグルメ」のPR事例です。

成功の要因は、食べた時の表情やリアクションから美味しさが伝わるよう、動画専門のYouTubeを選択したことでしょう。

また、ファミリー系YouTuberとして家族で活動している「エハラ家チャンネル」をインフルエンサーに起用したのも大きな成功要因と考えられます。

4人の子どもたちが美味しいものを食べてテンションが上がっている様子は、視聴したユーザーの共感を呼び、公開後たった1日で700クリックを獲得するほど大幅な購買促進につながりました。

いい部屋ネット×@小豆さん&東海オンエアのりょうさん

最後にご紹介するインフルエンサーマーケティングの成功事例は、大東建築リーシング株式会社が運営する「いい部屋ネット」が配信した「踊ってみた動画」です。

最大の成功要因は、Twitter とYouTubeを掛け合わせている点でしょう。

プロモーションの予告は拡散力がずば抜けているTwitterで、ダンスはYouTube動画で公開されました。

その結果、動画の切り抜きやキャプチャ画像がフォローしていないユーザーへも拡散され、ツイート回数が3,000回以上、視聴回数にいたっては230万回再生にものぼりました。

インフルエンサーマーケティングはメリットが一杯!

インフルエンサーマーケティングは、施策の豊富さや優れた拡散力といった多くのメリットを備えています。

本記事でご紹介した成功事例からも、インフルエンサーにPRを依頼してみる価値は十分にあるといえるでしょう。

ただし、インフルエンサーマーケットにはインフルエンサー選定の難しさや炎上リスクなどのデメリットがあるのも事実です。

絶対に失敗したくない、という場合は以下のような専門の会社に依頼するのがおすすめです。

インフルエンサーマーケティングの導入を検討しているなら、まずはメリット・デメリットそれぞれについて把握するところから始めてみましょう。

一覧へ戻る

おすすめの代理店

ディレクション型

株式会社ハーマンドット

マッチング型

expaus(株式会社Lxgic)

XBUZZ(株式会社エックス)

事務所型