TikTok運用のメリットとは?運用のポイントから成功事例まで解説

TikTok運用には、圧倒的な拡散力や抜群の購買力など、企業にとって魅力的なメリットが沢山あります。
何より、成長フェーズ真っ只中の今だからこそ、TikTokに参入する絶好のタイミングなのです。
とはいえ、理解が浅い状態でTikTok運用をスタートさせると、大きな成果は得られません。
そこで今回は、企業がTikTokを運用するメリット・デメリットについてまとめてみました。
運用のコツや成功事例もご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
なぜ今、企業はTikTok運用に注目すべきなのか
なぜ今、企業はTikTok運用に注目すべきなのか、その理由として以下の4点があげられます。
- Z世代から30代以上まで利用層が拡大しているから
- 高い拡散力で認知を一気に広げられるから
- 「TikTok売れ」に象徴される購買力が期待できるから
- 他SNSに比べて競合が少なく先行優位を得やすいから
順番に解説していきます。
Z世代から30代以上まで利用層が拡大しているから
企業がTikTok運用に注目すべき1つ目の理由は、これまでユーザー層がZ世代から30代・40代まで拡大しているからです。
まずは、総務省が平成7年(2025年)に発表した「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の結果をご覧ください。

出典:総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
上記の通り、メインユーザーは引き続き10代・20代が占めているものの、前年に比べると30代は32.0%から39.7%に、40代は26.8%から39.9%へと確実に増加しているのです。
利用者の年齢層が拡大したことで、より幅広い商品・サービスのPR効果が期待できます。
高い拡散力で認知を一気に広げられるから
「TikTok運用を始めようと思った理由は?」という問いに対し、多くの企業が「拡散力の高さ」をあげています。
TikTokのアルゴリズムは、「いいね!」や「シェア」といったユーザーの反応が素早く集約される仕組みになっており、高評価を得た動画はFor Youページ(おすすめフィード)に表示されるため、フォロワー以外のユーザーにも視聴されやすいのです。
事実、2025年6月に公開された「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」によると、「TikTokは知らなかった情報を教えてくれる」と回答した人が77.5%にものぼっていました。
一度TikTokでトレンド入りした動画は瞬く間に拡散されて、そのブランドや商品の認知度は一気に向上しています。
「TikTok売れ」に象徴される購買力が期待できるから
企業がTikTok運用に注目すべき3つ目の理由は、圧倒的な購買力です。
その実力は、「TikTok売れ」というキーワードが日経トレンディでヒット商品ベスト1位に選ばれたことでも証明されています。
さらに注目すべきは、TikTokが2025年6月に公式発表した「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」で報告された、以下のデータです。
- 2024年の推定消費額:2,375億円
- TikTokで見た商品の購入経験:33.9%
- 予定外の購買をした人:30.0%
これほど強力な購買力を備えているのですから、TikTok運用を始めない手はありません。
ちなみに、同調査の結果については以下の記事でも詳しく解説しておりますので、あわせてご一読ください。
他SNSに比べて競合が少なく先行優位を得やすいから
YouTubeやInstagramに比べると、TikTokは未だ成長途中のプラットフォームと言えます。
つまり、先行優位性がある今だからこそ、TikTok運用を始めるべきなのです。
他の主要SNSのように同業他社が飽和状態になっているレッドオーシャンで勝負するよりも、ブルーオーシャンで勝負した方が有利なのは間違いありません。
TikTok運用の主なメリット
TikTok運用の主なメリットは、以下の7つです。
- 拡散力が高く認知拡大につながる
- 低コストで動画制作・運用ができる
- 短尺動画でユーザーの興味を引きやすい
- トレンドに乗りやすく購買につながる
- 他SNSより競合が少なく差別化できる
- インフルエンサー施策で信頼性を高められる
- 海外ユーザーや幅広い世代にアプローチできる
順番に解説していきます。
拡散力が高く認知拡大につながる
前述した通り、TikTok運用は拡散力の高さが突出しています。
しかも大手企業に限らず、個人事業主や中小企業においても高確率で認知拡大に成功しているのが、TikTok運用の大きな強みです。
低コストで動画制作・編集・運用ができる
予算をかけずに動画制作・編集ができるのは、TikTok運用ならではの強みです。
TikTokには、アプリ内に動画を制作・編集するための機能が最初から備わっているため、高価な機材やデジタルツールを購入する必要はありません。
以下はTikTok内で使える機能の一例ですが、これだけあれば低予算でもエンターテインメント性の高い動画を制作・編集することができます。
- 動画の撮影・カット
- ビデオクリップの連結
- 再生速度の変更
- BGMの挿入や音量調整
- アフレコ・音声加工
- テキストの追加
- エフェクトの追加
短尺動画でユーザーの興味を引きやすい
TikTokは短尺動画に特化したSNSです。
短尺動画には長尺動画にはない以下のような強みあり、これらがシナジー効果を発揮しているため、ユーザーの興味を引きやすい傾向があります。
- 集中力を保ちやすい
- 内容がコンパクトにまとまっているので伝わりやすい
- スキマ時間にサクッと視聴できる
ゆっくり長尺動画を見る時間的な余裕がない現代人にとって、短尺動画を集約しているTikTok運用は時代のニーズにマッチしたSNS戦略なのです。
トレンドに乗りやすく購買につながる
TikTokの利用者が30代・40代まで拡大しているのは事実ですが、その一方で未だメインユーザー層は10代~20代のZ世代です。
ファッション・コスメ・エンタメにいたるまで、現代のトレンドはZ世代が生み出していると言っても過言ではありません。
つまり、流行に敏感なZ世代が集まっているTikTokで注目された商品は、トレンドに乗りやすく、購買に繋がる可能性が高いのです。
2025年6月からはアプリ内で商品の売買が完結するTikTok shopが日本でも使えるようになり、さらなる売上アップが期待できます。
TikTok shopについては以下の記事を参照してください。
他SNSより競合が少なく差別化できる
以下の通り、日本でリリースされた時期を比較してみると、主要SNSの中でもっとも後発なのはTikTokです。
- TikTok:2017年
- Instagram:2014年
- X(旧Twitter):2008年
- Facebook:2008年
- YouTube:2007年
そのため、TikTok運用を展開している企業は限られており、他のSNSよりも競合が少ないという大きなアドバンテージを持っています。
また、内容がライバル企業の2番煎じになるリスクが低いため、差別化しやすいのもTikTok運用ならではのメリットです。
インフルエンサー施策で信頼性を高められる
まずは、TikTokが2025年6月に発表した「TikTok Socio-Economic Impact Report〜日本における経済的・社会的影響〜」のデータをご覧ください。
- TikTokerの人数:全国で226万人
- TikTokerの推定収益:1,197億円
- 「企業案件やコラボ依頼が増えた」と回答した割合:26.7%
これだけ多くのインフルエンサーがTikTokで収益を上げているのは、フォロワーから信頼されている証拠です。
フォロワーから一目置かれているインフルエンサーを起用できれば、自社ブランドや商品の信頼性アップにも繋がります。
海外ユーザーや幅広い世代にアプローチできる
日本におけるTikTokユーザーの平均年齢はここ数年で確実に上昇しており、海外でも同様の傾向が見られます。
つまり、TikTokは欧米や東南アジアなどのグローバル市場においても、幅広い世代にリーチできるプラットフォームへと進化しているのです。
とくに、以下のようなTikTok動画は国境を越えて広く拡散しています。
- 言葉が通じなくても内容が伝わるエンタメ系の動画
- 日本の魅力を伝えるトラベル系の動画
- アニメなどを紹介するカルチャー系の動画
日本在住の外国人TikTokerや海外在住の日本人TikTokerを起用することで、幅広い海外ユーザーにアプローチすることができます。
TikTok運用のデメリット
一方、TikTok運用には以下のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。
- 炎上リスクがある
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 年齢層が若年層に偏りやすい
- コンテンツ制作に専門的なスキルが必要
- 運用コストや工数がかかる場合がある
- アルゴリズム変動の影響を受けやすい
順番に解説していきます。
炎上リスクがある
TikTok運用には、他のSNSと同様に炎上リスクが伴います。
常にネットリテラシーをアップデートし、スタッフ全員に周知しなければなりません。
効果が出るまでに時間がかかる
ごく希に投稿した途端に認知される動画もありますが、約3カ月~4カ月ほどかけて徐々に再生回数が増えていくのが一般的です。
そのため、TikTok運用では「初動で再生回数が伸びない動画=低品質コンテンツ」と決めつけず、経過を観察する必要があります。
年齢層が若年層に偏りやすい
利用者の年齢層が拡大しているとはいえ、TikTokのメインユーザー層はあくまでZ世代です。
そのため、年齢層が若年層に偏りやすい現状を踏まえたアプローチが欠かせません。
コンテンツ制作に専門的なスキルが必要
動画の制作・編集機能がアプリ内に備わっているからと言って、必ずしも良質なコンテンツが作れる訳ではありません。
エンターテインメント性の高い魅力的なコンテンツを作成するには、冒頭で興味を惹き付けるノウハウやベストなタイミングで投稿する知識など、TikTokに特化した専門的なスキルが必要です。
運用コストや工数がかかる場合がある
TikTokにおけるアカウント取得や投稿は無料ですが、クオリティの高い動画制作をプロに依頼したり広告を出稿したりする場合は、相応の費用が発生します。
また、すべての業務を社内のリソースで賄えたとしても、一定の工数がかかって人件費が割り増しになる点も注意が必要です。
アルゴリズム変動の影響を受けやすい
成長途中のTikTokは、アルゴリズムのアップデートや新しい機能を追加することで、常に進化しています。
これらの変化に素早い対応が求められるのも、TikTok運用の難易度が高い理由です。
TikTokを効果的に運用するためのポイント
TikTokを効果的に運用するには、以下のポイントを押さえておく必要があります。
- 最初の数秒でインパクトを与える
- ターゲットを明確にしてコンテンツを設計する
- トレンドの音楽やハッシュタグを活用する
- 継続的に投稿し分析・改善を繰り返す
- コメントや双方向コミュニケーションでエンゲージメントを高める
- 投稿時間や頻度を最適化する
順番に解説していきます。
ちなみに、以下の記事でもTikTok運用を成功させる秘訣をご紹介していますので、あわせてご一読ください。
最初の数秒でインパクトを与える
ショート動画に特化しているTikTok運用で欠かせないのが、最初の数秒でユーザーにインパクトを与えるテクニックです。
ショート動画は「冒頭の2秒が命」と言われており、具体的には以下のような手法があげられます。
- 最高のシーンを冒頭に持ってくる
- 目立つフォントで、わかりやすいメッセージを表示する
- 最初に結論を述べて、「なぜ?」と思わせる
- 「○○の結果は?」など、冒頭で「答えが知りたい!」と思わせる
- 「意外」「実は」など、一般常識と違う結果を連想させる
冒頭の2秒で「続きが見たい!」と思わせることができれば、再生回数が伸びやすいのです。
ターゲットを明確にしてコンテンツを設計する
あらかじめターゲットを明確にしておくことは、コンテンツ設計の基本です。
とくにTikTokではスクロールするだけで簡単にスキップできるため、興味をそそられないコンテンツはあっという間に次の動画に切り替えられてしまいます。
トレンドの音楽やハッシュタグを活用する
TikTokには同じBGMを使っている動画を検索する機能があるため、トレンドの楽曲を取り入れるだけで視聴してもらえる確率がアップします。
また、タイムリーなトレンドワードのハッシュタグを付加しておくのも、検索流入を増やす賢い方法です。
メインユーザー層がトレンドに敏感なZ世代だからこそ、TikTokでは時流を意識したコンテンツ作りが欠かせません。
継続的に投稿し分析・改善を繰り返す
TikTok運用で成功している企業は、PDCAサイクル(Plan:計画/Do:実行/Check:評価/Action:改善)を徹底しています。
何より重要なのは、単発で終わらせず継続的に投稿し続けることです。
TikTok運用は短期間で成果が出るわけではないため、継続投稿・分析・改善を繰り返す必要があります。
なお、TikTokの分析方法については以下の記事を参考にしてください。
コメントや双方向コミュニケーションでエンゲージメントを高める
TikTok運用でエンゲージメント率をあげるには、ユーザーからのコメントには必ず返信するなど、双方向コミュニケーションを通して信頼関係を深めることが重要です。
返信を受け取ることで、ユーザーはブランドやインフルエンサーをより身近な存在と感じ、信頼関係が深まります。
投稿時間や頻度を最適化する
TikTok運用の効果を最大化するには、投稿する時間帯や頻度にも注力する必要があります。
TikTok for Businessが公開している「Z世代白書2023 〜自由に自遊するZ世代〜」によると、Z世代の視聴率がもっとも高い時間帯は就寝前の21:00〜23:59と報告されています。
また、TikTokは再生回数が伸びる投稿頻度について、「2日に1回、週3回程度が目安」とアナウンスしています。
TikTok運用の成功事例10選
この章では、お手本にしたいTikTok運用の成功事例10選をご紹介していきます。
- ローソン
- 三和交通
- 資生堂
- Tasty Japan
- スクウェア・エニックス
- ロート製薬
- ユニクロ
- ほっともっと
- マクドナルド
- ドミノピザ
順番に解説していきます。
なお、TikTok運用の成功事例は以下の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ローソン
出典: ローソン
「ローソン」が実施した「#いつでもLチキチャレンジ」は、ハッシュタグチャレンジの代表的な成功事例です。
思わず口ずさみたくなるオリジナル楽曲、さらに子供でも真似しやすい簡単な振り付けなどが成功要因となり、ユーザーから膨大な自作動画が投稿されたうえ、売上にも大きく貢献しました。
三和交通
出典: 三和交通
認知拡大および採用の応募者増加で大成功を収めたのが、「踊るタクシーおじさん」で一躍有名になった「三和交通」です。
TikTok2021上半期トレンドにノミネートされた効果も相まって、中小企業のTikTok運用としては異例のフォロワー数50.21万人を記録しています。
資生堂
出典:資生堂
「資生堂」は、TikTokにおける人材採用で成功した代表的な事例です。
職場のリアルが伝わる若手社員の様子を投稿することで、企業の信頼度や透明性をアピールした結果、会社説明会の応募人数および内定承諾率が向上しました。
Tasty Japan
出典:Tasty Japan
料理動画メディア「Tasty Japan」のTikTokアカウントは、「見て幸せ、作って楽しい」というコンセプトを元にした世界観を演出しているのが特徴です。
料理の完成シーンをサムネイルに設定してユーザーの興味を惹き付ける手法が抜群の視覚的効果を発揮し、再生回数の増加に貢献しています。
スクウェア・エニックス
出典:スクウェア・エニックス
人気ゲームメーカー「スクウェア・エニックス」の特徴は、ブランドではなく新作ゲームの公式TikTokアカウントを開設し、さらに動画間に表示する「インフィード広告」を活用して集客に繋げているところです。
他のSNSでも同様の施策を行っていますが、商品のターゲットとメインユーザー層が完全に一致しているTikTokでの注目度が群を抜いていました。
ロート製薬
出典: ロート製薬
企業のTikTokアカウントは、商品の紹介動画ばかりになりがちです。
一方「ロート製薬」は、お役立ち情報など消費者の興味・関心にコミットすることでTikTok運用を成功させています。
オリジナルのアニメキャラクターや楽曲、さらには「どうやって編集してるの?」というコメントが殺到した技あり加工動画など、いかにユーザーの興味を惹き付けるかにフォーカスしているのが特徴です。
ユニクロ
出典: ユニクロ
グローバル規模のTikTok運用で成功しているのが、世界各国で店舗を構えている「ユニクロ」です。
とくに以下の手法は、海外に進出している企業にとって非常に参考になります。
- 国別でTikTok公式アカウントを運営
- 複数の国で、同時にUGC(ユーザー参加型)キャンペーンを展開
ほっともっと
出展:ほっともっと
「ほっともっと」は、お弁当メニューをそのまま商品ラインナップとして紹介する動画に加え、以下のような投稿で同業他社との差別化に成功しています。
- 思わず真似したくなる簡単アレンジレシピ
- ハロウィンなど、季節のイベントに合うアレンジ特集「パーティー企画」
動画をカテゴリ別にまとめるプレイリスト機能を活用し、ユーザーが探しているコンテンツを見つけやすいように配慮しているのも好感が持てます。
マクドナルド
出展:マクドナルド
「マクドナルド」は、商品名を使った替え歌などのユニークな企画や、TVレベルの高クオリティ動画で来店者を増やしています。
また、ハッシュタグチャレンジも積極的に展開しており、2019年に実施した「#ティロリチューン」では、子供でも簡単に真似できる振り付けが人気を呼び、約5万件もの投稿が集まりました。
ドミノ・ピザ
出典: ドミノ・ピザ
「ドミノ・ピザ」は、2020年に「求ム! ドミノ 最高チーズ責任者」というハッシュタグチャレンジを実施し、新商品の認知と購買促進で大成功を収めました。
成功要因として、TikTokを含む複数のSNSでの同時開催や100万円という破格の報酬などがあげられます。
TikTokのメリットを活かしてブランド認知を広げよう
TikTok運用には、抜群の拡散力や購買力の高さなど、企業にとって魅力的なメリットが揃っています。
さらに、ここ数年でユーザー層の年齢が30代・40代まで拡大し、より幅広い世代にリーチできるようになったのも、大きなアドバンテージです。
その反面、成長途中のTikTokではアルゴリズムのアップデートや新機能のリリースが頻繁に行われているため、その都度うまく対応できずに苦戦している企業も少なくありません。
株式会社ハーマンドットでは、TikTokのアルゴリズムに精通しているプロが運用全般をワンストップで支援しております。
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