Instagramのパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)とは?広告の種類やメリット、注意点も解説
Instagramのパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)とは、インスタグラマーが作成したクオリティの高いオーガニック投稿を、企業が自社の広告として活用できる広告配信手法です。
この記事では、パートナーシップ広告にはどのような特徴があるのか、タイアップ投稿との違いや活用するメリットなどを踏まえたうえで、設定方法を手順に沿って解説していきます。
注意点もご紹介していますので、パートナーシップ広告を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の概要
はじめに、Instagramのパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の概要について、以下の2項目に分けて解説していきます。
- パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)とは?
- 「パートナーシップ広告」と「タイアップ投稿」の違い
順番に解説していきます。
パートナーシップ広告(Partnership Ads)とは?
Instagramのパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)とは、Instagram広告を配信する手法の1種です。
パートナーシップ広告を活用すれば、インスタグラマーなどのクリエイターが作成・投稿したオーガニック投稿を、企業が自社の広告クリエイティブとして再利用・配信することができるようになります。
例えるなら、TikTok広告の一種であるSpark Ads(旧名称:Boosted TikToks)のInstagram版、といったイメージです。
企業・ブランド側は、クリエイターが作成した高クオリティなコンテンツを低コストで広告として再配信でき、インスタグラマー側はリーチを効率的に拡大できるため、両者にとってメリットの大きい広告配信形態と言えるでしょう。
ちなみにInstagramの運営元であるMetaは、2023年5月づけでブランドコンテンツ広告をパートナーシップ広告に改称したと発表しています。
なお、Instagram のパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)と同じような機能を備えたTikTokのスパークアズについては、以下の記事を参照してください。
「パートナーシップ広告」と「タイアップ投稿」の違い
Instagramの「パートナーシップ広告」と「タイアップ投稿」には、以下3つの違いがあります。
パートナーシップ広告 | タイアップ投稿 | |
---|---|---|
クリエイティブの 作成者 | クリエイター | クリエイター |
配信者 | 企業 | クリエイター |
PRする方法 | 企業が、自社のアカウントではなく、クリエイターのアカウント内にある投稿を、大勢のSNSユーザーが目にする広告として広く配信し、PRする | クリエイターが、自身のアカウント内に投稿してPRする |
「誰が」作ったクリエイティブを、「誰が」「どのようにPRしているのか」が異なっているのです。
もちろん、共通ルールとしてパートナーシップ広告・タイアップ投稿ともに、インフルエンサーと企業の関係性を明示しなければなりません。
「パートナーシップ広告」と「通常投稿」はタグの表示が違う
以下の画像は、パートナーシップ広告のサンプルです。
出典:Instagram、ブランドコンテンツ広告の提供開始を発表
赤枠で囲ってある箇所に注目してみると、インフルエンサーと企業がビジネス関係にあると一目で伝わるよう、以下2つ方法で明記されているのが分かります。
- アカウント名の下:「広告/Sponsored」
- キャプション欄の冒頭:「〇〇ブランドとのタイアップ/Paid partnership with 〇〇」
ブランドコンテンツ広告はオーガニック投稿と見分けにくい側面がありますが、タグの有無によって明確に区別できるのです。
Instagramパートナーシップ広告の種類と配信場所
以下の通り、Instagramパートナーシップ広告は4種類あり、それぞれ配信される場所と紐づいています。
フィード画面 | ・フィード広告として、フィード画面に表示される ・フィード画面とは、Instagramのアプリを開くと一初に表示されるホーム画面のこと ・最も見てもらえる可能性の高い配信場所 |
---|---|
ストーリーズ画面 | ・ストーリーズ広告として、ストーリー画面に配信される ・ストーリーズ画面とは、24時間で自動的に消える投稿が表示される画面のこと ・スマホの全画面に縦型で表示されるため、インパクトが大きい ・頻繁にチェックされる人気機能で、訴求力が高い配信箇所 |
発見タブ | ・発見タブ広告として、発見タブに配信される ・発見タブとは、ホーム画面下の虫眼鏡アイコンをタップして開く、検索用のページ ・ユーザーの検索・視聴履歴に基づいて表示されるため、商材と親和性の高いユーザーに見てもらえる可能性が高い |
リール | ・リール広告として、リールページにも表示される ・リールページとは、スクロールによって次々とおすすめ動画が表示されるページ ・視聴率の高い機能なので、訴求力が高い |
Instagramパートナーシップ広告のメリット
Instagramパートナーシップ広告の主なメリットは、以下の6つです。
- 高クオリティなコンテンツを広告として配信できる
- コスパが高い
- ステマ(ステルスマーケティング)対策になる
- Meta社の広告データを活用した詳細なターゲティングが可能
- ターゲット層を拡張できる
- Instagramインサイトや広告マネージャでも効果測定ができる
ここからは、上記6つのメリットについて個別に解説していきます。
高クオリティなコンテンツを広告として配信できる
SNSで絶大な人気を誇っているインフルエンサーは、往々にして優れたクリエイティブ製作者でもあります。
とくに、美意識が高いユーザーが募っているInstagramでは、画像や動画を駆使したクオリティの高いクリエイティブ作品を投稿しているインスタグラマーに、人気が集まっているのが実情です。
このようなTOPインスタグラマーの投稿には、フォロワーの購買行動を後押しするほどの影響力を持っているにもかかわらず、広告臭を感じさせないノウハウが詰まっています。
人気インスタグラマーが作成したクオリティの高いクリエイティブを、企業の広告としてそのまま配信できるのは、Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)ならではの強みです。
コスパが高い
Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の2つ目のメリットは、コスパの高さです。
前述した通り、クオリティの高いクリエイティブを作成するには、広告として
SNS広告として、TOPインスタグラマーと同レベルのクリエイティブの作成をプロに依頼した場合、その広告制作費は決して安くはありません。
しかも、費用をかけたからと言って大きな成果が約束されているわけでもなく、場合によっては赤字になることもあります。
その点、Instagramパートナーシップ広告なら、すでに一定の反響を得ているオーガニック投稿を再利用するのですから、成果が期待できるのはもちろん、広告を一から作るよりも低予算で済むのです。
ステマ(ステルスマーケティング)対策になる
ステマ(ステルスマーケティング)対策になるのも、パートナーシップ広告(旧:ブランドコンテンツ広告)の代表的なメリットです。
とくに、2023年10月1日から「ステマ規制」がスタートして以降、インフルエンサーマーケティングのルールが厳格化され、関係者の多くが対応に追われていました。
その点、パートナーシップ広告であれば、アカウント名の下には「広告/Sponsored」が、キャプション欄の冒頭には「〇〇ブランドとのタイアップ/Paid partnership with 〇〇」が自動的に付加されるため、設定ミスを完璧に予防できるのです。
ステルスマーケティングとインフルエンサーマーケティングの関係性については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。
Meta社の広告データを活用した詳細なターゲティングが可能
Meta社が提供する広告データをターゲティングに活用できるのも、パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の大きな強みです。
Instagram を運営しているMeta社は、実名制のFacebookを有しているため、他のSNSよりもユーザー属性を詳細に集積・分析しています。
つまりパートナーシップ広告なら、ユーザーの性別や世代といった基本情報だけでなく、居住地域・職業・趣味趣向といった詳細データもターゲット設定に反映させることができるのです。
ターゲット層を拡張できる
ターゲット層を拡張できるのも、Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の魅力です。
インフルエンサーにとっては、自身のフォロワー以外の第三者へリーチすることができます。
一方、企業にとってはMeta社の広告データを活用してターゲティングの制度を高めれば、興味関心の高い層へ集中的に配信する、あるいは新規層へ向けてテスト配信を行って、マーケットの拡大を試みることも可能です。
Instagramインサイトや広告マネージャでも効果測定ができる
パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)は、以下の両方で効果を測定することができます。
測定できる項目の違いは以下の通りです。
分析ツール | 調査できること |
---|---|
インサイト ※Instagramの分析ツール | アカウントのフォロワー数の推移、フォロワー層の詳細、広告に対するアクション、アクションのタイミングなど、フォロワーに関する情報全般 |
広告マネージャ ※Metaの広告管理ツール | リーチ数、CV数、閲覧ユーザーの地域や年齢など |
インサイトと広告マネージャの測定データを掛け合わせることで、より精度の高い広告配信ができるようになります。
ちなみにインサイトは、本来アカウントを持つ本人しか閲覧できないルールになっていますが、自社の広告タグが付加されたパートナーシップ広告であれば、閲覧することが可能です。
インフルエンサーマーケティングとの相性に優れる
パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)を活用すれば様々なユーザーに情報が配信されるため、PR情報の拡散力をさらに高めることができます。
Instagramパートナーシップ広告の設定方法
この章では、Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の設定方法について解説していきます。
大まかな手順は、以下の通りです。
- 企業側:「ビジネスアカウント」に移行する
- インフルエンサー側:企業に対し「ブランドパートナー申請」を行う
- 企業側:インフルエンサーをコンテンツクリエイターとして承認する
- 企業側:インフルエンサーの投稿を自社広告として配信する
- 企業側:パートナーシップ広告の効果を確認する
なお、すでにInstagramのビジネスアカウントへ切り替えが完了している場合は、①を飛ばして②からお読みください。
①企業側:「ビジネスアカウント」に移行する
まず大前提として、パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)を配信するには、Instagramのビジネスアカウントが必要です。
Instagramの通常アカウントからビジネスアカウントへ切り替えることで、以下3つのメリットが得られます。
- 「広告配信」が可能になる
- 「会社情報」が掲載できるようになる
- 「分析機能」が使えるようになる
未対応の場合は、Instagramのビジネスアカウントへ移行しておきましょう。
②インフルエンサー側:企業に対し「ブランドパートナー申請」を行う
企業がインフルエンサーの投稿をパートナーシップ広告として利用するには、インフルエンサーのInstagramアカウントにアクセスする権限が必要です。
インフルエンサーは以下の手順に沿って、スマホの画面上で企業側へ「ブランドパートナーの申請」を行いましょう。
- アカウントのプロフィール右上のメニューから、「設定とプライバシー」をタップ
- 「アカウントの種類とツール」をタップ
- 「ブランドコンテンツ」をタップ
- 「ブランドコンテンツツールを設定」をタップ
- 「有効にする」をタップ
- 再度「ブランドコンテンツ」を開く
- 「ブランドパートナーに承認をリクエスト」をタップ
- パートナー企業のアカウントを検索して、リクエストを送信する
③企業側:インフルエンサーをコンテンツクリエイターとして承認する
続いて、企業側がインフルエンサーからリクエストされた「ブランドパートナー申請」に対し、以下の手順に沿って「コンテンツクリエイターを承認」する作業を行います。
- アカウントのプロフィール右上のメニューから「設定とプライバシー」をタップ
- 設定メニューから、「ビジネスツールと管理」をタップ
- ビジネスメニューから、「ブランドコンテンツ」をタップ
- 「コンテンツクリエイターを承認」をタップ
- 「検索」または「受け取ったリクエスト」から、目的のインフルエンサーを選択
- 対象のインフルエンサーがヒットしたら、ユーザー名をタップ
- ブランドコンテンツの承認ページに戻る
- 「承認済みアカウント」の数が増えているか確認
- 右上の「完了」ボタンをタップ
これで、インフルエンサーの承認が完了し、投稿に「タイアップ投稿タグ」が付加されるようになりました。
④企業側:インフルエンサーの投稿を自社広告として配信する
インフルエンサーの投稿に対してアクセス許可をもらったら、
広告主側の広告マネージャに、実際に入稿する作業に入りましょう。
企業側が広告の配信設定を実施します。
「Meta広告マネージャ」にてInstagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の配信を設定していきましょう。
- 「Meta広告マネージャ」にアクセスする
- メニューボタンから「広告を管理」をクリック
- 「+作成する」をクリックし、広告の作成画面に移る
- 「新しいキャンペーンを作成」をクリック
- 「ブランドの認知度アップ」や「トラフィック」などの中から、目的を選択する
- 「次へ」をクリック
- オーディエンス(配信ターゲット)、広告の配置、予算、配信期間などを設定
- 一通り設定したら、一番下の「次へ」をクリック
- 「アイデンティティ」と「広告クリエイティブ」の設定ページに進む
- 「既存の投稿を使用」をクリック
- 「投稿を選択」をクリック
- 投稿選択画面で「ブランドコンテンツ」をクリック
- インフルエンサーから使用を許可された投稿一覧から、広告配信したい投稿を選ぶ
- 「次へ」をクリックすると、広告プレビューが表示される
- 遷移させたい「ウェブページのURL」と「コールトゥアクション」を設定
これで、Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の配信設定は完了し、指定した期間・予算・配信場所などに沿って配信されるようになりました。
⑤企業側:パートナーシップ広告の効果を確認する
パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)の宣伝効果は、広告マネージャの「広告レポート」で確認することができます。
ただし、パートナーシップ広告が掲載されるまで、広告マネージャの「広告レポート」は利用できませんので注意が必要です。
配信したパートナーシップ広告を選択すると、タブごとに以下の4項目が表示される仕組みになっていますので、「チャート」にてパフォーマンス状況を確認してみましょう。
- 概要:配信している広告の概要
- 編集:配信している広告の内容を編集することができる
- チャート:配信している広告のパフォーマンスデータ
- 履歴:配信している広告の変更履歴
ちなみに、元々オーガニック投稿だったパートナーシップ広告は、Instagramアプリの「インサイト」からでもパフォーマンスデータを確認することが可能です。
Instagramパートナーシップ広告の注意点
最後に、Instagramパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)に関して、以下3つの注意点をご紹介しておきましょう。
- 広告主とインフルエンサーの間で広告利用の契約が必須
- 広告主が管理できる範囲は限られている
- インフルエンサーのオリジナル性が損なわれるリスク
順番に解説していきます。
広告主とインフルエンサーの間で広告利用の契約が必須
企業とインフルエンサーの両者が互いに承認していなければ、パートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)を配信することはできません。
配信後にトラブルが発生しないよう、配信の手続きや設定に取りかかる前に以下のような事柄について、両者の合意の元で明確な契約を結んでおく必要があるのです
- 配信期間や配信頻度
- 広告の配置場所
- 広告クリエイティブの権利の所在
- インフルエンサーへの報酬
- どの窓口でお問い合わせに対応するか
- ユーザーから寄せられたコメント管理を誰が行うか
広告主が管理できる範囲は限られている
オーガニック投稿の広告利用についてインフルエンサーと合意したからと言って、企業やブランド側に全権が委ねられたわけではありません。
パートナーシップ広告の契約を結んだ後も、キャプションやコメントをはじめエンゲージメントなどを管理する権限を持っているのは、あくまでクリエイティブのオリジナルを作成した著作者であるインフルエンサーです。
たとえば、パートナーシップ広告に対して度を越える悪質なコメントが寄せられたとしても、企業側の一存でコメントを消去する、あるいは返信することはできません。
対応が後手にまわらないよう、あらかじめネガティブなコメントにどう対応するか、インフルエンサーと共に決めておく必要があります。
インフルエンサーのオリジナル性が損なわれるリスク
パートナーシップ広告でよくある失敗例が、オーガニック投稿に対する企業の要望が多すぎるケースです。
パートナーシップ広告の強みは、インフルエンサーのオリジナル性やクリエイティブ性を、そのままPR素材として活用できる点にあります。
にもかかわらず、広告主からの指示や指定が多すぎると、本来オーガニック投稿が備えていた強みが薄れ、場合によっては広告感が全面に押し出されかねません。
クリエイティブの2次利用と同様に、支持や指定は最小限にとどめておくことをおすすめします。
まとめ
この記事では、Instagramのパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)について、特徴やメリット、設定方法などについて解説してきました。
前述した通り、パートナーシップ広告はインフルエンサーと企業・ブランドの双方にとって、旨味のある広告配信手法です。
インフルエンサーにとっては、これまで見てもらえていなかったユーザー層を開拓するチャンスになるでしょう。
一方、企業・ブラントにとってもクオリティの高い上質なクリエイティブを、費用を抑えて広告として配信することで、大きな穏健が得られます。
運用を広告代理店に依頼する場合は、インフルエンサーマーケティング、パートナーシップ広告の実績が共に豊富で高い効果を出してくれる株式会社ハーマンドットにご依頼ください。
Instagramのパートナーシップ広告(旧ブランドコンテンツ広告)に挑戦する際は、ぜひ本記事でご紹介した情報をお役立てください。
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